湖月わたる
元宝塚歌劇団星組トップスターの湖月わたるさん(撮影:本社 奥西義和)
元宝塚歌劇団星組トップスターの湖月わたるさんの歌劇団退団20周年を記念する公演『TUMBLEWEED(タンブルウィード)』が11月に東京、愛知、兵庫で上演される。舞台は、朗読×ダンス×歌と、ショータイムの二部構成。今回の舞台では、新たに振付にも挑戦する。「変化が好き、追求することが好き」と、挑戦を続ける湖月の探求心の源を聞いた
(構成:清野由美 撮影:本社 奥西義和)

朗読×ダンス×歌の舞台『TUMBLEWEED』

―― 『TUMBLEWEED』の前半は、アメリカ西部開拓時代の伝説の女ガンマン、カラミティ・ジェーンを題材にした、朗読×ダンス×歌の舞台だそうですね。タンブルウィードは、ちょっと耳馴染みのない言葉ですが、どういう意味が込められているのでしょうか。

タンブルウィードは、アメリカの荒野で風を受けながら、転がり続ける植物のことで、「ローリングストーン――ころがる石は苔をむさない」ということわざも思い起こさせるものですよね。演出の荻田浩一先生は、風を受けながら、前に進んでいく力強いイメージを、作品に託してくださっているのだと感じています。

その『TUMBLEWEED』では、2曲の振り付けを担当することになって、9月に2週間、ロンドンで活躍されている振付家の益井悠紀子さんのもとで学んできます。 

昨年末に柚希礼音さんと2人で上演したダンス劇『マイ フレンド ジキル』で、初めて益井さんの振付をいただいたのですが、その時に、ジキルとハイドという対極の人格をダンスで表現する面白さにハマりました。骨格の動かし方や、感情をマイムで表すことを含めて、それまでの私の振付感とは違う体験をしたのです。

益井さんのメソッドは、ダンスというより「身体による感情表現」だと感じました。その背景には、バレエやオペラの世界で、演劇性を第一にするイギリスの伝統もあるのではないかな、と思っています。そのような益井さんならではのメソッドを学ぶことが今から楽しみです。