国士舘大学大学院客員教授・八幡和郎先生は、「近代日本において、全国のどこで生まれても地元の各都道府県に名門高校があり、良質な高校教育を受けることができることは国力の源泉となってきた」と語っています。当連載では、そんな八幡先生の著書『日本の名門高校 - あの伝統校から注目の新勢力まで -』から一部を抜粋し、全国の名門高校をご紹介していきます。今回取り上げるのは「西大和学園高校」です。
西大和学園高校 私立/共学/中高一貫/奈良県北葛城群河合町
きめ細かい指導体制で成功し急躍進する新興進学校
西大和学園の開校は、昭和61年(1986)で非常に新しい。奈良県議会議員だった田野瀬良太郎(のちに衆議院議員)が、奈良県から大阪府下の私立高校へ進学する生徒の数が多いことから、奈良県内に進学校を設けるべく、奈良県北葛城郡河合町に開校した。JR関西本線の王寺駅が最寄り駅で、交通の便は良い。
昭和63年(1988)に中学校を開校。当初は男子のみの中高一貫と、高校からの男女共学の2つの課程があったが、平成26年(2014)から中学も男女共学になった。京都の洛南中・高校が共学となったことへの対処ということもありそうだ。
東大寺学園高校が自由な校風を標榜するのに対して、西大和学園高校は、進学の目的に特化したきめ細かい指導体制をとっている。たしかに懇切丁寧に日々の勉学をフォローしており、研伸館という予備校と提携して放課後に塾の講義を校内で受けることができる。
一方で、農家での生活体験や、ウミガメの産卵に立ち会うといった、自己啓発のための活動にも力を入れている。カリフォルニア校を持っていて、海外での語学研修については、中学から高校の進学時に一年間の留学をしても課程が遅れないシステムも導入するなど、受験に直接に役立たないものを排除しているわけではない。
募集は、中学が220名、高校からが120名で、帰国子女や英語が得意な生徒に向けての入試もある。
遠方からの入学者も多く、その場合は学校敷地内にある青雲寮(男子寮)に入寮できるが、この寮での充実した生活・勉学指導には定評がある。
