
仕事、家事、恋、子育てと、日常を駆け抜けていらっしゃるお嬢様方、おかえりなさいませ。今夜も、執事がとっておきの短歌をご用意いたしました。お疲れの心にひとさじの癒やしになりますよう、どうかごゆっくりお召し上がりください。さて、本日はどんなお嬢様からのお呼びでございましょう……
令和のお嬢様は、夜道も歩くし買い食いもする
世代間憎悪はあり それでどうすると引き上げられてしたたれる湯葉 米川千嘉子
今日のお嬢様は実家暮らし。お父様お母様から怒鳴られてお部屋に戻っておいでです。おお、涙がぽろぽろぽろぽろ。何があったのでしょう、まずは紅茶の一杯でもと思いましたが、生憎台所はお母様が夕飯の片付けに奮闘中。そしてお父様は優雅にリビングで新聞を読んでおいでです。あのクソ親父! うちの彼氏は彼氏のアパートで夕飯の準備も後片付けも手伝ってくれるのに! 年収が高いだけで威張り腐って! とは、ダーティーな中にも本音の詰まった言葉。お嬢様は彼氏様をとても愛しておいでなのですね。
ふむ、さっきの喧嘩は? なになに? ご結婚を反対されたと? ふむ、お嬢様の彼氏様は派遣社員、副業も頑張っていらっしゃいますが年収はお嬢様より低く、そんな甲斐性なしにうちの娘はやれん! と一喝されたと。娘をやるやらないの感覚にも腹が立ちつつ、お嬢様の彼氏様の惚気を散々聞いていたお母様も、お父様を前にすると専業主婦の身だからなのか何一つ言えない。情けないと。
ふむ、ここはたくさんのケーキとお紅茶でお嬢様の悲しみを癒やしたいところでございますが、ここはご実家、そんな準備も出来なそうです。どこかカフェでも行きますか? なになに? コンビニスイーツを買って来ちゃおう、ですって? ふむ、なるほど、令和のお嬢様ですな。夜道も歩くし買い食いもする。ここがお母様との価値観の違いでもあるかもしれません。
そんなお嬢様に、米川千嘉子さまのお歌のお振る舞いです。
