(写真提供:Photo AC)
「SNSで投稿を拡散しただけ」「飲み会に誘っただけ」「会社の資料を家に持ち帰っただけ」…どれも悪気なくやってしまいがちな行動です。しかし「何気ない判断が懲戒処分や損害賠償、さらには刑事事件へ発展することがある」と語るのは、元千葉県警刑事・森雅人さんです。そこで今回は森さんの著書『これだけで、逮捕 「知らなかった」では済まされない29の落とし穴』より一部を抜粋し、実際の事件や判例をもとにお届けします。

事件ファイル リポストして逮捕!?

「この投稿おもしろいな、拡散しとこう」

Aは、仕事帰りの電車の中でSNSを見ていた。

すると、有名なインフルエンサーに関する投稿が流れてきた。そこには、「この人は詐欺師だ」「お金を騙し取っている」などと書かれていた。かなり拡散されており、コメント欄も批判一色だった。

それを見たAは、「本当ならひどい話だな」と思い、そして深く考えることなく、その投稿をリポストした。自分で書いたわけではない。ただ共有しただけ。そんな感覚だった。

ところが数か月後、その投稿内容が事実ではなかったことが判明する。投稿した人物だけでなく、拡散に関与したアカウントについても捜査が行われた。Aは、「私は書いていません」と説明したが、虚偽の内容を不特定多数へ拡散した行為が問題視され、名誉毀損の疑いで書類送検された。

ココがアウト!

信用毀損罪
虚偽の情報を流し、人や会社の信用を傷つけた場合に成立する犯罪。

偽計業務妨害罪
虚偽情報などによって業務を妨害した場合に成立する犯罪。