栗山巧
写真/水上俊介
西武ライオンズの「ミスターレオ」こと栗山巧さんが、2026年8月30日の試合をもって現役を引退しました。入団から25年間ライオンズ一筋で活躍し、球団生え抜き選手初の通算2000本安打を達成するなど、高いプロ意識と誠実な人柄でファンに愛されてきた栗山さん。今回は、初の著書『獅子貫徹 ライオンズ一筋25年、理想の打撃を追い求めて』より一部を抜粋し、栗山さんの野球人生の軌跡を振り返ります。

2度目の大震災。野球選手にできること

2011年3月、東日本大震災が起きました。

ライオンズはオリックスとのオープン戦で姫路にいました。

試合開始は13時30分。1回表の打席で、僕はその年初めてのヒットを打った。リベンジに向けた第一歩を踏み出せて、少しホッとしていました。

試合中から、東北でとんでもないことが起きている、という話は伝わっていました。中断にはならなかったので、試合中はプレーに集中するだけでした。試合が終わり、情報に触れ、強いショックを受けました。

翌日以降の試合は中止になった。当然のことだと思いました。

被害に遭った地域のことを鑑みれば、野球をやっている場合ではない。

そして、日が経つにつれ、現地からの情報に触れるにつれ、いろいろ思うところがありました。

自分も何かしなくてはならない――。

自分には何ができるのか――。