野球選手がやるべきこと

東日本大震災で被災された方のお話を伺う機会が、何度かありました。

「子どもたちの笑顔だけが救い」。そんな言葉が印象的でした。

栗山巧
写真/水上俊介

そうであるとすれば――。1995年のオリックスのことが脳裏をよぎりました。

野球選手がやるべきことは、やはり野球。そう思えてきました。

自分がこの業界で生き残っていくために。プロ入りしてからずっと、フィールドの中のことだけに集中して、がむしゃらにやってきました。

そこに少しずつ、違うものが加わってきた。

お世話になった人に迷惑をかけたくない。恩返しをしたい。

応援してくれるファンを悲しませたくない。今度こそ喜ばせたい。

野球を通して、子どもたちを笑顔にしたい。少しでも世の中の役に立ちたい。

自分にできることはちっぽけだと、今でも感じます。

ただ、こうした思いが加わったからこそ、僕は気持ちに張りを持って、野球を長く続けることができた気がしています。