2026年10月より、パートタイム・有期雇用労働者の待遇に関するルールが改正されました。多様な働き方が選択できる現代ですが、それに伴い複雑化しているのが職場のトラブルです。数多くの労働事件を担当してきた弁護士・佐々木亮さんは「働く側にトラブル解決に対する知識がとぼしく『泣き寝入り』をするケースが実に多い」と指摘します。そこで今回は、佐々木さんの著書『職場のトラブル即解決!あなたを守る労働法』より一部を抜粋し、自分を守るために知っておきたい労働法の知識をわかりやすく解説します。
トラブルケース1
自分の陰口を知ってしまった
私は職場で最高齢です。ある日、社内のカフェに入ると、上司が後輩に「あの人は年も上だし、お局さまには逆らえない。話が長くて面倒だ」といっているのが聞こえ、ショックを受けました。これはハラスメントではありませんか?
解決策 陰口はそれが当事者に判明した時点でハラスメントになり、謝罪を要求できる
人前での叱責はパワハラになりますが、陰口はどうでしょう?
その陰口を本人が知ってしまい、不快感を抱いたり、情緒不安定になったりすればハラスメントに相当します。
このケースでの上司の発言は人格を否定するパワハラでもあり、「お局さま」との呼称はセクハラにも該当する可能性が高くなります。
また、間接的に本人の耳に入った陰口もパワハラになることがあります。
たとえば宴席で上司がその場にいない部下を名指しして、「あいつは仕事ができないバカで困っている」と言ったのを翌日、同席した人が本人の耳に入れたとします。
本人は傷つき、上司に不信感を抱き、宴席でこの発言を聞いていた人たちの態度が変わり、仕事がしにくいなど、本人にとっての就労環境が害されるのであればパワハラになるでしょう。
雑談のなかで陰口や悪口を言っているに過ぎなくても、パワハラに該当することがあるのです。