「それ以降、どんなにつらいことがあっても、二度と死にたいと思ったことはありません。一生懸命に生きる気持ちとユーモア感覚があれば、何があっても乗り切れる。心底、そう思えるようになったのです。」
現在発売中の『婦人公論』10月13日号の表紙は女優の草笛光子さんです。今年87歳、芸歴70年になるという草笛さんの健康の秘訣は――発売中の『婦人公論』から、インタビューを掲載します。(構成=篠藤ゆり)

ウィーンで目に飛び込んできたのは

今年の1月1日、私は『ウィーン・フィル ニューイヤーコンサート』の番組収録のため、ウィーンに滞在していました。番組でご一緒した女優の中谷美紀さんとは、以前から仲良くしているのですが、彼女はウィーン・フィルのヴィオラ奏者と結婚されたでしょう。「私も、こちらの方と結婚しようかしら。誰か素敵な方、いないかな?」と見回したけれど、コンサートに来ているのはカップルばかりで。残念ね。(笑)

ウィーンの街を歩いている時、ショーウィンドウに飾られた黄色いジャケットが目に飛び込んできました。ちょっと派手かなと思いましたが、思い切って買い求めたんです。今日、『婦人公論』の表紙撮影で初めてご披露できました。

私服を舞台や映画で着ることは結構あります。昔から大切にしてきた服も、いつか使えるかもしれないと思うと捨てられません。役柄を着こなしから考えるのはとても大切なことなんです。