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肩肘張らずに京の味覚を
昼は定食が揃う食堂、夜は一品料理中心の居酒屋として、地元の人たちが贔屓にする「てらまち福田」。一人で厨房を切り盛りする店主の福田竹志さんは、人気料亭「和久傳」の系列店や予約至難の「京天神野口」などで培った経験を生かし、割烹のような「過ぎず、程よい」料理を目指している。
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5種類のランチはいずれもお手頃価格。京都色の強い料理もあって、観光客に人気なのがこの鯖寿司とにゅうめんのセットだ。京都では鯖寿司はお祭りに欠かせない行事食の一つ。店ごと、家庭ごとの味があるが、こちらのは身厚の鯖と醤油で味をつけた寿司飯を海苔巻き風に仕立てたもの。鯖の厚みや脂ののり具合に合わせて塩や酢の量を加減し、半生に仕上げるのが特徴だ。もう一品のにゅうめんは、季節感を出すために毎月トッピングの具材を替えている。
「意識はしていませんが使う野菜や豆腐、お揚げなどはほぼ京都のもの。地元の常連さんは、仕入れ先を変えただけですぐ気づかはるんです(笑)」。日替わり定食には丹波地鶏を使ったおかずを出すことが多く、小鉢の白和えの生節や佃煮は自家製。肩肘張らず京の味覚を楽しめ、予約不要で、一人で立ち寄れる気楽さも魅力だ。
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てらまち福田
●京都府京都市下京区寺町通仏光寺下ル恵美須之町528 えびすテラス204 ☎075・343・5345
12:00〜13:30(L.O.)、17:00〜22:00(L.O.)、水曜、第2・4火曜休
カウンター8席・テーブル12席
●昼/定食850円〜 夜/一品料理550円〜、コース(前日までに要予約)5500円〜。テイクアウト、通販商品あり
●アクセス/阪急京都線京都河原町駅西改札口、10番出口より徒歩5分。寺町通を南に向かい、通り沿い西側に立つビルの2F