かつて「好きなことは仕事にしないほうがいい」と考えていたハラミちゃんですが(写真:ハラミちゃんオフィシャルウェブサイトより)
東京都庁に設置されたストリートピアノでの演奏動画をYoutubeで配信すると、それが瞬く間に拡散。今やストリートを飛び出し、全国ツアーを開催するなど、老若男女から人気を博すピアニスト、ハラミちゃん。ますますの活躍が期待されていますが、実はクラシックの世界では挫折し、就職したIT企業でも心を折って退職した経験も。そんなハラミちゃんが「好きなピアノ一本で食べていく」という決意をなぜ固められたのでしょうか。 

「好きなことを仕事にしていいのか論」について

「好きなこと」を「仕事」にするのは幸せなのか? だれもが、一度は考えたことがあるテーマなのではないでしょうか。

好きなことでお金を稼げるなんて最高でしょ!と思う人もいれば、仕事と思うと楽しめないから好きなことは趣味にしておきたい、と考える人もいます。

これってたぶん、どちらも正解なんだと思います。

私は「好きなことは仕事にしないほうがいい」派でした。私が好きなことを仕事にできないというあきらめの感情から、そう思うようになったのかもしれません。無理に仕事にしようとしないで、趣味で楽しめばいいじゃん、と思っていました。

生活を維持できる安定した仕事について、やりたいことは趣味で楽しむ。そんな生き方のほうがスマートだと思っていました。好きなことなんて時間があるときに楽しむぐらいの温度感がちょうどいいんだよ、って、「好き」で生きていこうとする人をどこか上から目線で見ていました。