昨年、ジャガー星に帰還したジャガーさん。そのユニークな設定のほとんどは「あの人」が作ったようなものとのことで(写真提供:イースト・プレス)
火星近くのジャガー星から宇宙船「ジャガー号」に乗って地球にやってきたロックミュージシャン、ジャガーさん。1985年から自身の資金で買い取った千葉テレビの番組枠で「HELLO JAGUAR」を放送。最近では『月曜から夜ふかし』などの人気番組に出演、映画『翔んで埼玉』では「伝説の千葉県人エンペラー千葉」として登場するなど、千葉県では知らない人のいない存在だったが、昨年10月にはジャガー星へと“帰還”を遂げた。そのジャガーさん曰く「ユニークな“設定”のほとんどはみうらじゅんさんが作ったようなもの」だったそうで――。

誰に頼ることもなく

しかし、よくもまあ、個人でチバテレの番組枠を買い取り、「HELLO JAGUAR」を毎週毎週作ったなと改めて今、自分でも思う。とにかく膨大な量で、「洋服直し村上」の経営などと一緒に回していくのが本当に大変だった。おまけにライブ活動までしている。

しかしジャガーは毎日夢中だったので、基本的にとても楽しかったことしか覚えていない。

1987年の2月には後楽園球場内特設ステージで『子どもたちのCity』と題したフェスが開催され、そこにレピッシュやアンジー、そして平沢進率いるP-MODELに混じって、雑誌「宝島」の人に誘われたジャガーも出演することになった。

そこにまだ電気グルーヴになる前の「人生」、大槻ケンヂくんの「筋肉少女帯」、田口トモロヲさんの「ばちかぶり」、そして「泯比沙子&クリナメン」といったナゴムレコード系のバンドがたくさん出ていた。

「ジャガーさんこそ、真のインディペンデントだ」

その日初めてお会いした田口トモロヲさんはそう言ってくれた。まあ、ジャガーは誰に頼ることもなく自分のお金でプロモーションまでやっているから、たしかにそのとおり、真のインディペンデントなのかもしれない。

あと、「GO-BANG’S」や「パパイヤパラノイア」といったガールズバンドも多くて、今から考えると時代を感じる。ロックとテクノとガールズパワーでなかなか豪華なイベントだった。