いつもと違う、どこか調子がよくない…と思っても、かかりつけ医のいない人はなかなか気軽に聞けないもの。小さな不調に大きな病気が隠れていることもあるので、油断は禁物です。また、人になかなか打ち明けられない悩みも、日々医療は進歩し、治療法が開発されていることも。大切な自身や家族の健康は、ぜひ医師に相談してみてください。女性に多い病気を中心に、症状、原因、治療、予防の4つの観点でご紹介します。第6回は、「たこつぼ型心筋症」です。
(取材・文/松井宏夫〈医学ジャーナリスト〉 撮影=本社写真部)
(取材・文/松井宏夫〈医学ジャーナリスト〉 撮影=本社写真部)
〈症状〉胸が痛み、呼吸困難に
2016年に起きた熊本地震の被災地で、「エコノミークラス症候群」に加えて危険性が指摘されたのが「たこつぼ型心筋症」。心疾患の一つです。突然「胸痛」に襲われ、「呼吸困難」も伴うもの。「狭心症」「心筋梗塞」の症状にとてもよく似ています。
なかには、つらいからと身体を横にすると逆に息切れが起こり、座った状態でいると比較的息苦しさが緩和される「起坐(きざ)呼吸」の症状が起きる人も。心臓の冠状動脈が狭くなったり、詰まったりして突然の胸痛に見舞われる狭心症・心筋梗塞同様、たこつぼ型心筋症も一刻を争う疾患なので、すぐに救急車を呼ぶ必要があります。