「平成30年(2018)人口動態統計月報年計(概数)の概況」(厚生労働省)によれば、日本人の死因の4位が脳卒中となっています。脳卒中は、かつて日本人の死因の1位を占めていましたが、医療の進歩によって亡くなる患者の数は減少。しかし、患者の数そのものは変わらずに今も多いのが現状です。ライフネット生命保険株式会社創始者で、立命館アジア太平洋大学(APU)学長の出口治明さんも、2021年1月に脳卒中を発症。リハビリ生活を送ることになりました。それまで入院したことすらなかったという出口さん、なぜ脳卒中を発症したのか、その理由を考えてみると――。
そもそも脳卒中とは
僕が患った脳出血を含む、脳の血管に障害が起きて生じる病気は一般に脳卒中と総称されています。
脳卒中は脳の血管が詰まるタイプと、脳の血管が破れるタイプがあります。前者が脳梗塞、後者には脳内の細かい血管が破れて出血する脳出血と、脳の表面の血管にできたコブが破れるくも膜下出血があります。
血管が詰まるにせよ出血するにせよ、脳がダメージを受けるのは共通しています。僕がなったのは脳出血で、脳卒中の19.5%を占めます。なお、脳梗塞は76.1%、くも膜下出血は4.5%です。