人に打ち明けられない不調や悩み。日々医療は進歩し、治療法が開発されていることも。大切な自身や家族の健康は、ぜひ医師に相談してみてください。女性に多い病気を中心に、症状、原因、治療、予防の4つの観点でご紹介します。第16回は、「てんかん」です。
(取材・文/松井宏夫〈医学ジャーナリスト〉)
この記事の目次
〈症状〉けいれんだけでなく症状はさまざま
〈原因〉慢性の脳疾患。脳の電気のリズムが影響 〈治療〉投薬治療が基本。難治性のものは外科治療も 〈予防〉頭部への外傷を避ける。睡眠不足にも注意

〈症状〉けいれんだけでなく症状はさまざま

「てんかん」の病名を聞いて思い描く症状は、「突然意識をなくし身体を硬直させて倒れ、ガクガクと全身けいれんを起こして口から泡を吹く」というものでしょうか。

これは「強直間代発作(大発作)」といいます。てんかんの発作の表れ方はさまざま。「腕が固まってしまい動かなくなる」という「単純部分発作」などもあり、この場合には大発作のように倒れたりすることはありません。

また、みんなと話をしている時に「突然意識がなくなって一点を見詰め、それまで行っていた動作が止まる」発作もあります。これは「欠神発作」といわれ、意識がなくなるだけで、10秒くらいで元の状態に戻ります。

特に幼稚園から小学校低学年の子供に多くみられる発作です。
「ミオクロニー発作」は電撃的に手が揺れ、たとえばお箸を持っていると落としてしまいます。まさに発作は千差万別で、患者は国内で約100万人といわれています。

図:てんかんの症状