現在発売中の『婦人公論』(1月号)掲載の特集「メタボ家計をスリム化させるコツ」家計を見直したいと思っても、どこから手をつけたらいいかわからないという人は多いはず。効率よく節約するコツを、家計再生のプロが伝授しましょう(構成=山田真理 撮影=本社写真部 イラスト=チームおゆき)
一度見直せばずっと節約効果が続く固定費
インフレによる値上げラッシュが続くなかで、私のもとにも相談に来る方が増えています。
皆さん、「貯金ができない」と口を揃えますが、家計を診断すると、無駄な贅肉がたっぷりついた《メタボ家計》だったりする。「ここがまだ削れるでしょう」と感じることが多いのです。
物価高に不安をあおられないためには、何にお金を使っているかを把握し、支出を自分でコントロールできるようになることが大切。「**にいくら払うのは仕方ない」という凝り固まった頭をほぐすだけでも、スリムで身軽な家計は目指せます。
支出には、毎月一定の金額を支払う「固定費」と、金額が変わる「変動費」があります。まず皆さんに見直していただきたいのは固定費です。
固定費は主に、通信費、保険料、定期購入や月額の会費、住居費など。口座やクレジットカードから自動的に支払われることが多いため、「毎月いくら出費がある」と自覚しづらい項目です。
契約内容を見直しもせず、長年支払い続けている方も多いでしょう。あるいは複雑なスマホの料金プランなどを見て、変更を尻込みしているケースもありそうです。
面倒だから手をつけたくないのかもしれませんが、固定費は一度手を入れれば、その後は何もしなくても節約の効果が続くため、実際には無理なく続けられる節約術と言えます。
たとえば、スーパーで10円でも安く買おうと毎回キリキリするより、何となく契約していたサプリの定期購入を解約するために1回電話をするだけで、毎月1000円単位で支出が減る。そのほうがずっと楽だと思いませんか。
余裕があれば、変動費の節約にもトライを。
食費や日用品費など毎日お財布から出ていく支出については、予算を決めてやりくりするのが基本です。物価高だから予算オーバーも仕方がない、と最初から財布の紐をゆるめるのはNG。まずは今の支出内容を疑ってみて、疑問に感じた項目を見直しましょう。
お金をかけるべきところとそうでないところの優先順位をつけると、支出のコントロールがうまくできるようになるはずです。
次ページから、効果が出やすい費目順に節約のコツを紹介します。一つでもできることから始めて、ぜひスリムな家計の身軽さを実感してみてください。