いよいよ動き出した「甲斐の虎」武田信玄。駿河進攻の狙いとは? 絵:『大日本歴史錦繪』. 国立国会図書館デジタルコレクション  (参照 2023-03-22)

松本潤さん演じる徳川家康がいかに戦国の世を生き抜き、天下統一を成し遂げたのかを古沢良太さんの脚本で巧みに描くNHK大河ドラマ『どうする家康』(総合、日曜午後8時ほか)。第11話では三河国主となり、姓を徳川と改めた家康は、信長(岡田准一さん)の指示もあり、今川領を狙う武田信玄(阿部寛さん)と談判することに。意外な形で信玄との交渉に臨んだ家康は密約を交わすことになるが――といった話が展開しました。

一方、歴史研究者で東大史料編纂所教授・本郷和人先生が気になるあのシーンをプレイバック、解説するのが本連載。第30回は「武田信玄と駿河」について。この連載を読めばドラマがさらに楽しくなること間違いなし!

いよいよ動き出した信玄

前話にて、阿部寛さん演じる武田信玄が本格的に動き出しました。

信玄というと「戦国随一の戦上手」として名高い武将ですが、威圧感にあふれたその姿を前に言葉を失う家康、といったシーンからも、両者の“格”の違いをあらためて感じた視聴者が多かったようです。

ドラマ内で、終始家康は信玄のペースに飲まれていましたが、結局、双方が今川領を攻め、切り取り次第で己の領地にする、という密約を交わすことになりました。