小林さんいわく、日本人の平均給与はいまだに1992年の水準を超えていないそうで――(写真提供:Photo AC)
岸田文雄首相が推し進めている「資産所得倍増プラン」。2024年からはNISAの制度が新しくなるなど、貯蓄から投資へのシフトを促すさまざまな施策が行われていますが、元東京国税局職員の小林義崇さんは「知らない間にあなたはお金で失敗している!」と主張しています。国の資産を扱ってきた小林さんだからこそわかる、いま一番安心なお金の増やし方とは。その小林さんいわく、日本人の平均給与はいまだに1992年の水準を超えていないそうで――。

これから先、日本の金利は上がらない

銀行預金の金利は変動します。ですが、日本の金利に関しては、今後も大きく上がることは考えにくいです。そのことを理解するために、金利が動くメカニズムを簡単に理解しておきましょう。

そもそも金利とは何かご存じでしょうか。金利はお金の貸し借りによって、発生する利息のことで、借り手側から貸し手側に支払われます。たとえば預金なら、私たちは単純にお金を銀行に預けていると考えてしまうかもしれませんが、それは違います。

預けたお金を元に、銀行は他の人にお金を貸したり、金融商品を販売したりといった商業活動を行います。私たちは銀行にお金を貸しているのです。今は超低金利なので意識しづらいのですが、銀行に預金をすると、必ず金利が発生します。

日本の中央銀行である日本銀行は、預金に限らず、この金利をコントロールしています

日銀と民間金融機関との間で資金貸し付けなどの取引を行い、市場の資金量を増減させることで、金利を操作しているのです。このような方法を「公開市場操作」といいます。