型板ガラスを雑貨にリメイクするpieni(ピエニ)の吉田智子さん・晋吾さんの二人が、Iさんの“想い出レター”を読んで感じたものとは――(イラスト:そねはらまさえ/『想い出の昭和型板ガラス ~消えゆくレトロガラスをめぐる24の物語~』より)
かつてどこの家でも、窓や建具に使われていた模様入りの「昭和型板ガラス」。模様のかわいらしさや、あまり生産されなくなったという稀少さから、最近ではSNSを通じてたびたび話題となっています。今回紹介するのは兵庫県・Iさんの「昭和型板ガラス」の思い出について。型板ガラスを雑貨にリメイクするpieni(ピエニ)の吉田智子さん・晋吾さんの二人が、Iさんの“想い出レター”を読んで感じたものとは――。

重い引き戸─兵庫県・Iさんのエピソード

型板ガラスの想い出といえば、やはり祖母の家です。

祖母の家ではあちこちに型板ガラスが使われていましたが、とくに印象に残っているのはダイニングの重い引き戸です。

開くたびに大きな音がして、家のどこにいても聞こえました。

祖母が亡くなったあとも、誰かが引き戸を開けるたびに、そこに祖母がいるような気になったものです。