かつてどこの家でも、窓や建具に使われていた模様入りの「昭和型板ガラス」。模様のかわいらしさや、あまり生産されなくなったという稀少さから、最近ではSNSを通じてたびたび話題となっています。今回紹介するのは兵庫県・Iさんの「昭和型板ガラス」の思い出について。型板ガラスを雑貨にリメイクするpieni(ピエニ)の吉田智子さん・晋吾さんの二人が、Iさんの“想い出レター”を読んで感じたものとは――。
重い引き戸─兵庫県・Iさんのエピソード
型板ガラスの想い出といえば、やはり祖母の家です。
祖母の家ではあちこちに型板ガラスが使われていましたが、とくに印象に残っているのはダイニングの重い引き戸です。
開くたびに大きな音がして、家のどこにいても聞こえました。
祖母が亡くなったあとも、誰かが引き戸を開けるたびに、そこに祖母がいるような気になったものです。