池田さん「1995年はいま思い返してもゲーセンに熱気がある時代だった」(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)
新型コロナウイルスの蔓延で、窮地にたたされた業界は多々ありますが「ゲームセンター」業界も例外ではありません。中小店が苦境に立たされる中、多彩なラインナップと企画力で注目されているのが「ゲーセンミカド」です。同店を開店した池田稔さんいわく「1995年はいま思い返してもゲーセンに熱気がある時代だった」そうで――。

ゲーセンに熱気があった1995年

1995年はいま思い返してもゲーセンに熱気がある時代だった。

オウム真理教の地下鉄サリン事件、阪神・淡路大震災、エヴァンゲリオンブームなど、サブカルチャーと社会的な大事件がまじり合って、世の中が混沌と熱気にあふれていたこの時期、ゲームセンターでは、あるタイトルがとてつもないブームを巻き起こしていた。『バーチャファイター2』(1994年)である。

1993年に稼働を始めた『バーチャファイター』は、世界初の3Dグラフィック対戦格闘ゲームであり、ポリゴンと呼ばれる多角形を組み合わせたキャラが生み出す、リアル志向の世界観で数多くの「バーチャジャンキー」たちを生み出し、その人気は翌年に現れた『バーチャファイター2』で決定的なものとなる。

前作とは比べ物にならないほどなめらかなポリゴンの質感、反応速度、リアル感。

それはこれまでのすべてのゲームを過去のものにしてしまう最新技術の塊だった。