「私が妹や弟を助けるのは当たり前のこと。その境遇に疑問を持ったりすることはありませんでしたね。」(撮影:大河内 禎)
テレビで見ない日がないほど大活躍のアンミカさん。幼い頃は貧しく、きょうだいで肩を寄せ合って生きてきたそうです。それぞれ自立した今、大切にしている付き合いのルールとは(構成:小沢あや 撮影:大河内 禎)

<前編よりつづく

姉には頭が上がりません

中高生になってからは、朝は新聞配達のバイトをし、家事を手伝ってから登校。部活から帰ってきたら洗濯をし、弟妹の面倒を見て、宿題をして……。本当に目まぐるしい毎日で、正直、当時の記憶がありません。

それでもバイトを続けたのは、生活費はもちろんのこと、妹や弟の教材費や習い事の費用を工面するためです。兄や姉も、私の学費を助けてくれていました。兄は、進学校に通うくらい頭がよかったのですが、高校を卒業してすぐ就職し、家計を支えてくれて。

だから、私が妹や弟を助けるのは当たり前のこと。その境遇に疑問を持ったりすることはありませんでしたね。

長年闘病を続けていた母が亡くなったのは、私が中学を卒業する直前。最後は寝たきりで、意識もありませんでした。心の準備はできていたつもりでしたが、母が大好きだった私は受け止めきれませんでした。

20代で父が亡くなった時も、突然すぎてショックが大きかった。病気になった後、体に不自由が残ったものの、冗談が言えるほど回復していましたから。