「きょうだいの関係は、一生ほどけない糸のようなもの」

きょうだい関係がもつれないために

50代の今、とにかくきょうだいといるのが楽しい。集まれば朝までトランプをすることもあります。それぞれの家族も加わると、よりにぎやかに。

そして、ときどき両親の思い出話をします。年齢が近いとはいえ、幼い時の1歳差は大きいですし、感覚も覚えているメモリーもバラバラですから、5人分の視点があるんですよね。

「ええ!あの時お母さん、そんなこと言ってたの?」とか、今でも新しい驚きがあります。両親と過ごせた時間は短いですが、お互い語り合うことで、知らなかった両親の姿を共有できるのです。

それにきょうだいがまったく違う人生を歩んできているから、世間話も面白い。法律や政治経済の知識がある兄との会話は、いつも勉強になります。コメンテーターの仕事にも役立つので、ニュースの解説をしてもらったり、意見を聞いたりすることも。健康など身体の話は、弟や妹が詳しいので相談しています。

きょうだいの関係は、一生ほどけない糸のようなもの。中島みゆきさんの歌みたいだけど、「血縁」も「絆」も、「糸」ですからね。「きょうだいだからすべて許される」と依存し合うと、距離感が近づきすぎてもつれてしまう。誰か一人が「こうあるべき」と勝手な行動をすると、無理に引っ張られてお互い痛い。

うまいこと織りなして綺麗なタペストリーでも編めたらいいんですけど(笑)。それぞれ大人になって自立すると、そんなにうまくはいきませんよね。