研さん「周りとなじみすぎると、大事なものをなくす」(写真:『70歳、すっぴん人生』より)
高齢化社会をむかえ、「これから先の人生、どう生きていけば良いのか」「悔いのない人生を送るには何をすれば良いのか」など悩みを抱えている方は少なくありません。歌手、タレント、女優とマルチに活躍する研ナオコさんは今年、満70歳を迎えました。そんな研さんが提案する、これからの人生を楽しむコツとは。研さんいわく「周りとなじみすぎると、大事なものをなくす」そうで――。

本当の友だちは少なくていい

アタシの周りで本当に友だちって言えるのは2、3人くらいだと思う。

その人たちとは数年会うことがなくても、会えば一瞬でいつも通りの会話ができる。最近はネット社会だから若い人たちが簡単に多くの友だちを作れるようだけど、それってそう簡単にできるものじゃない。

自分の都合のいいときに連絡してきて、相手の都合が悪ければ、「つきあいの悪いヤツだ」ってことになるような気がする。あの人がダメならこの人でいいや、っていうふうにあしらわれることになる。

今ではメールやメッセージで、直接相手につながれるでしょう。だからこそアタシは、「今、連絡して大丈夫かな」「仕事で手が離せないときだと悪いな」とか相手の状況を考えて連絡するかを決める。

最低でもそれくらいの配慮がないといけないんじゃないかと思う。そういう相手って多くはできないんじゃないかな。

それでも多くの人々とつきあおうとしたら、幾人かは手を抜いてつきあうしかない。それって相手のためにも、自分のためにもならないでしょう。

毎日のように会って、一日に何度も連絡を取り合うことだけで成り立つような関係ばかりではないのよ。

数年ぶりに電話したとしても、声を聞けばすぐに普段通りの会話ができる。本当の友だちってそういうものだと思うわ。