「友達が多い」と言う人は要注意?

定義を決めて、友情の棚卸しをした後、3人くらい残れば万々歳。よく著名人もインタビューで「友達は全然いなくて……」と話しているじゃないですか。大手を振って「友達が多いです!」と顔の広さを豪語しているのは、それらをキャラクターにしているお笑い芸人がほとんど。やっぱり「少ない」ほうが収まりがいいに決まっている。

もちろん、芸人だけではなく私の周囲にも

「俺、友達が多いんだよね〜」

と、吹聴している人物がいた。正確な数は記憶していないけれど、まあまあの人数だった。なんの根拠もないけれど、この発言にはざわつくものがあったが、この思いを晴らしてくれたのは、取材先で出会った精神科医の話だった。

「友達が多いと言う人は……実は、〈自分は友達が少ない〉という自覚があるんですよ。でもプライドがあって、その事実をどうしても言うことができない。だから“友達が多い”という虚像の自分を見せてしまう。そんな人とは深い信頼関係が築きにくいので、ビジネスパートナーには向いていない。ふつうの友達でいることも、なかなか難しいタイプなのかも」

なるほど、とひざを打つ。友達は質より量ではない。圧倒的に質。境界線を決めたところで、絶対はないのだから、曖昧だって構わない。少なくてもいいから、自分にとって心地よい存在が少しいれば、それでいいのだ。