二重作さんいわく「運動は失敗ありきで向上していくもの」だそうで――。(写真提供:Photo AC)
厚生労働省の令和1年(2019)「国民健康・栄養調査」によると、1回30分以上の運動を週2回以上、それを1年以上続けている人は男性で 33.4%、女性で25.1%に過ぎないとされ、現代におけるテクノロジーの発達などが「運動」の機会を減らしていると言えそうです。一方で、スポーツドクターの二重作拓也さんは、運動は<生きる>に向かう大切な行為だと述べています。その二重作さんいわく「運動は失敗ありきで向上していくもの」だそうで――。

運動は「失敗ありき」で向上していく

運動に代表される「言語化できない学習」の過程で大活躍するのが小脳です。小脳は潜在意識下で、以下を比較します。

1:運動イメージを基に、小脳に直接入力された運動計画の情報
2:実際に遂行された運動の身体からの情報

前頭前野で想起された運動イメージを実際に筋に出力してみると、転倒したり、ふらついたり、力み過ぎでブレたり、狙った軌道からズレたりします。いわゆる「思い通りの動きにならない」っていうやつですね。

小脳はこれら1と2、つまり意図的な運動の「意図」と「運動」を比較して、間違った動きをした筋肉に対して運動の指令を出した神経の働きを抑制します。

運動は「失敗ありき」で向上していく。ここは非常に重要なポイントです。

小脳は邪魔する指令を抑制したいわけですから「少ない回数ですぐにマスターしてしまうセンスの塊」よりも「私は不器用だから数を重ねるしかないと考えている人」のほうが、技術的な高みに至る可能性がありそうですね。