歌手の瀬川瑛子さん(左)と、医学博士の川口美喜子さん(右)。手に持つのは、川口さんが開発した主食・主菜・副菜をバランスよく取るためのお皿「バランスプレート」(撮影:鍋島徳恭)
70歳前後で体の不調に見舞われた瀬川瑛子さん。いつまでも歌い続けたいという願いをかなえるために、栄養学を教える医学博士の川口美喜子さんが効果的な食べ方を指南します(構成=丸山あかね 撮影=鍋島徳恭)

<前編よりつづく

調味料を足す前に素材の味に親しむ

川口 瀬川さんは食事面でどんなことに気をつけていますか?

瀬川 塩分を摂りすぎないようにしています。なにせ母から、「お味噌汁は塩分が多いから、汁は飲むな」と刷り込まれて育ちましたので。ところが近年になって、お味噌汁自体が体にいいと知ってびっくりしました。

川口 発酵食品のお味噌には、植物性乳酸菌という、生きて腸に届く乳酸菌が含まれているので、腸内環境を整える効果が高いと言われます。また、お味噌の原料である大豆には、女性ホルモンを補う働きがあるんです。ただ、和食は気をつけないと、塩分を摂りすぎてしまう可能性があります。

瀬川 そうなんですか!

川口 たとえば和食の朝定食の定番は、焼き魚、納豆、梅干し、味噌汁。一見するとヘルシーなのですが、これだけで4~5gの塩分を摂取していることになります。1日の理想的な塩分摂取量は6.5~7.5gなので、昼食、夕食まで含めると目標値を軽くオーバーしてしまうのです。