恋愛話に、その人の人生が垣間見える
どんな恋愛をするか、そしてその恋愛にどう《落とし前》をつけるのか。女性は恋愛と自分の生き方がセットになっているということを、12人の女性の話を聞いて、あらためて実感させられました。
彼女たちの話は、基本的には自業自得の失敗談がほとんど。でもだからこそ、単なる《恋バナ》ではなく、その人の人生が垣間見えるものが聞けたと思います。
もうひとつ、書き手としてのスタンスについて、自分で自分の新しい面を知ることができたのも面白かったです。小説を書く際はヒロインに寄り添うことを大切にしていたので、どんな恋愛をしている設定でも、私も彼女と同じ方向を向いて、基本的にその恋を肯定する姿勢で書きます。
でも今回は実在の女性たちと向き合って話を聞いたので、「それはおかしい」「騙されていると思うよ」など、思うままをストレートに書くことができたのが痛快でした。
歯に衣着せぬ私のコメントを読んで、「手厳しい」と感じる方もいるかもしれません。こういうふうに書けるようになったのは、私が68歳という年齢になったからだと思います。
人生の悲喜こもごもがわかるようになってきたおかげで、70代の方はさておき、下の世代の人たちに少しは意見ができる立場になったと言いますか。とても楽しい経験だったので、今回のような形のルポには、いつかまたトライしてみたいと思っています。