大人の女性のリアルな恋愛体験談
恋愛至上主義がもてはやされた若い頃を過ごした私からすると、今の若い人は「人生において、恋愛はあくまでもオプションのひとつ」と考えているように見えていたけれど、決してそんなことはない。いくら時代が変わっても、やっぱり恋愛は女性の人生に大きなウエイトを占めているんだなって。
そう気づいたことで久しぶりに興味をそそられて、じゃあ、大人の女性たちはどんな恋愛をしているのか。そのリアルな体験談を聞いてみたいと思ったのが、本書執筆のきっかけです。
「他人の男」を奪う恋愛を繰り返してきた40代の女性や、幸せな家庭生活を営んでいたのに《PTA不倫》に走ってしまう50代の女性。「事実は小説より奇なり」じゃないですが、ナマの話はどれも非常に興味深いものでした。
なかでも印象に残ったのは、生身の男性より「推し」を選んだ53歳の女性です。「恋愛・結婚・出産が女の幸せ」と言われていた時代だったら、変わり者扱いされるし、生活も苦しかったでしょう。
しかし、価値観が多様化し、また女性も働いて経済力を手にした現在ならば、いわゆる「女の幸せ」ではなく、「自分の見つけた自分の幸せ」を選ぶ生き方も大いにアリだと共感することができたのです。
また、がんを患い「余命1年」と宣告されたときに、夫と浮気相手に復讐することを決意した74歳の女性の話もあっぱれでした。もし同じ立場に置かれたら、私も絶対にそうするだろうな(笑)。
死が間近に迫ったからといって、《いい人》になる必要なんて全然ない。最後までジタバタしてもがくのが生きるということだと思うので、彼女のやり方には思わず一票を投じたくなりました。