快適さを求めれば高額に

私は読売新聞のコラム「人生案内」の回答者を長年務めていますが、「おばあちゃんに『補聴器をつけて』と頼みたいけれど、頑としてつけてくれません」という相談も寄せられました。

高齢者のいる家族内では、聴力にまつわるコミュニケーションがいちばん早くダメになるようです。一般に視力よりも早くダメになるのが聴力なのです。

『老いの地平線 91歳 自信をもってボケてます』(著:樋口恵子/主婦の友社)

どうやら安い補聴器では雑音が入ってしまうようです。

それが不快で、二度と補聴器をつけなくなってしまい、家族が困っちゃう……。

もう少しお金を出せば雑音を抑えてくれるし、もっといいものなら自分の聴力の範囲に合わせて、相手の発する子音が聞こえにくくなるように調節もしてくれるとか。

結局、快適さを求めれば高額になるのです。