中医学的 冬至の旬のもの

・旬の料理 水餃子

中国では冬至を重んじ、この日に餃子を食べる風習があります。もともと餃子は、中国で“医者の神様”とされる、張仲景(ちょうちゅうけい)という人物が作った養生食。張仲景が寒さと飢えに苦しむ民衆に振る舞ったのが、餃子(中国では水餃子)でした。

羊肉や唐辛子などの冷えを解消する食材を用い、耳の形に似せた餃子は、耳が凍傷になった多くの人を癒やしたそうです。冬至には、餃子の“元祖”である水餃子を味わってみてはいかがでしょう?

・旬の食材1 羊肉

羊肉も中国では“冬の風物詩”としてよく食べられます。温性の羊肉は、身体を温めて栄養を補給してくれる、この時期の心強い味方です。

さらに羊肉は、ほかの肉類とくらべてL-カルニチンが豊富で、脂肪がつきにくいというなんともうれしい効果も持ち合わせているんですよ。

・旬の食材2 かぼちゃ

日本で冬至といえば、かぼちゃですね。かぼちゃは身体を温め、消化器系の働きを良くするので、この時期にうってつけの食材。腎を養ってくれる黒ごま、潤い補給剤のはちみつとあわせた、大学芋ならぬ大学かぼちゃはいかが? ほくほく甘くて美味しいので、おやつにどうぞ。

※本稿は、『二十四節気の暦使い暮らし - かんぽう歳時記』(ワニブックス)の一部を再編集したものです。


二十四節気の暦使い暮らし - かんぽう歳時記』(著:櫻井大典・土居香桜里/ワニブックス)

大人気漢方家・櫻井大典先生が、24の季節と五臓(肝・心・脾・肺・腎)に合わせた旬の食材と、毎日の暮らしの養生を教えてくれます。

薬に頼らない、昔ながらの“健康と暮らし”の歳時記。
季節の移ろいや風物詩を美しいオールカラーの絵でも味わえる愛蔵版の1冊です。