中医学的 冬至の暮らしかた

・心と身体の状態

冬至の日は1年でもっとも夜が長く、中医学では、もっとも「陰気」が極まると考えられています。一方で、「陰極まれば陽に転ず」という言葉の通り、冬至を境に少しずつ「陽気」が増えていくことから、古来より、季節の重要な節目とされてきました。

『二十四節気の暦使い暮らし - かんぽう歳時記』(著:櫻井大典・土居香桜里/ワニブックス)

「一陽来復(いちようらいふく)」ともいい、運気が上昇し次第に力がみなぎっていく、いわば、新しい年の始まりのような頃です。

とはいえ、体感的には一気に寒さが増し、いよいよ冬本番。心身の負担ももっとも大きく、さまざまな不調が顕著に出やすいでしょう。

・起こりやすい不調

この時期は、心臓を動かすためのエネルギーとなる「陽気」が減るため、寒さゆえの動悸・胸の圧迫感・息切れ・不安感の強さなどをおぼえるかもしれません。

本来、「陽気」のかたまりである心臓に負担のかかるこの時期は、心疾患の既往歴がある方は、十分に気をつけるようにしてください。

動脈硬化のすすんだ高齢の方、高血圧や糖尿病の方、肥満型、睡眠不足の方は、寒暖差によるヒートショック(温度の急な変化で身体にダメージを受けること)などにも注意が必要です。