中医学的 小寒の旬のもの

・旬の食材1 タラ

魚へんに「雪」と書く鱈(たら)ですが、その由来は「身が雪のように白いから」とも「雪の降る季節によく捕れるから」とも言われ、産卵期となる冬は白子も美味です。おせちに必須のかまぼこなど、練り物の原料としても使われる魚。

肝・腎・脾に良く、血(けつ)(注)を補い、お酒を解毒するので、疲れやすくて息切れしやすい人や、正月にお酒を飲みすぎたという人にもピッタリ。

おすすめの調理法は、蒸す→煮る→焼く、の順。揚げ物は胃腸に負担がかかりますので、養生のために食べるなら、ホイル焼きや煮付け、また、この時期は鍋に入れて食べると身体が温まっていいでしょう。

(注)中医学において「血」は、身体に栄養と潤いを運び、メンタルの安定にも作用する液体です。

・旬の食材2 昆布

「解毒といえば昆布」と言うほど、解毒剤として優秀な食材。加えて、硫黄以外のすべての必須ミネラルを補給できるんです。

こもった熱を取り、身体の水はけを良くするので、むくみやすい人・便秘・肥満などに効果があります。ただし、甲状腺疾患のある人は、摂りすぎに注意が必要です。

・旬の食材3 みかん

冬の代表的なフルーツであるみかんは、食欲を促し情緒を安定させて、潤いを補給してくれます。涼性なのでこもった熱を取る力もあり、“こたつでみかん”は、まさに理にかなっているというわけです。

乾燥させたみかんの皮は「陳皮(ちんぴ)」といって、気をめぐらせる代表的な生薬でもあります。お湯に入れたり、緑茶に加えたりして、香りを楽しみながら飲んでみてください。

※本稿は、『二十四節気の暦使い暮らし - かんぽう歳時記』(ワニブックス)の一部を再編集したものです。


二十四節気の暦使い暮らし - かんぽう歳時記』(著:櫻井大典・土居香桜里/ワニブックス)

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