ずぶの素人でも、毎日何湯もはしごしていると、少しずつ違いがわかってくるもの(写真提供:Photo AC)
訪れた温泉は約500湯、女ひとりで温泉を巡りまくっているという永井千晴さん。旅行情報誌編集部で働いた経験を活かし、現在は「温泉オタク会社員」としてブログなどで温泉情報を発信しています。その「温泉オタク会社員」こと永井さんが温泉の楽しみ方を紹介する当連載。今回のテーマは「私なりの“いい温泉”」です。

私なりの“いい温泉”の定義

全国の温泉取材をしていた最初のころ、“いい温泉”がなんなのかよくわからないまま、他の方のブログやレビューを参考にしながらどうにか自分の言葉をひねりだし、記事を書いていました。

そんなずぶの素人でも、毎日何湯もはしごしていると、少しずつ違いがわかってくるもの。

取材の旅に出て10日ほど経ったころに訪れた、猪の倉温泉(三重。23年12月現在現在休館中)での体験は、いまもよく覚えています。

「え、こんなにぬるぬるな温泉があるの……?」と、まさに目からうろこ。

そのときは東京を出発して湯河原・箱根・伊豆を訪れ、知多半島に立ち寄りながら三重に到着するようなルートをたどっていました。