「個性のわかる温泉」
“いい温泉”を改めて考えると、個人的には、「個性のわかる温泉」なんじゃないかな、と思っています。
ぬるぬる、とろとろ、ペトペト、さらさら、パリパリ、キチキチといった不思議な浴感や、鉄のにおいやダシのにおい、土のにおい、草のにおい、硫黄のにおいなどなどの嗅覚で、「うっわ~~~! こんな温泉があるのか~!」と個性が手にとるようにわかる状態の温泉を“いい”と思っています。
ただ、“いい温泉”は人によって異なるので、一概にいえません。
めちゃくちゃ大きい露天風呂でパーンと開放的に自然と対峙しながら浸かる温泉が“いい”と思う人もいれば、建築が美しくてうっとりしてしまう趣深い湯屋にこんこんと流れる温泉を“いい”と思う人もいるし、他人と浸かるのは抵抗があるから露天風呂付きの客室でひとり贅沢に浸かる温泉を“いい”と思う人もいるのです。