ル・クルーゼのコケルを火にかけるタミ先生(写真:『97歳 料理家 タミ先生の台所おさらい帖』より)
94歳まで約60年間「桧山タミ料理塾」で延べ1000人以上の生徒に料理を教えてきたタミ先生。無理せず自然体で過ごすことを大切に、「がんばらない台所」を伝え続けてきました。ル・クルーゼのコケルはタミ先生が愛用してきた調理道具の一つ。今回は、家族や塾生からも大人気のコケルを使ったチキンカレーのレシピを紹介します。

出会いは60年前にフランスで

出会いは60年ほど前、フランス・アルザス地方のストラスブール。立ち寄ったレストランで、素敵! と見入ったのが、ル・クルーゼのコケルでした。

青好きのわたしは、鮮やかなブルーと、日本の鍋にはない長四角い形が、一目で気に入りました。

帰国してもコケルの姿が忘れられずに、海外の鍋を取り扱う東京・御徒町(おかちまち)の道具屋さんに輸入してもらって、手に入れたのです。

コケルはデザインの美しさにも惹かれましたが、なにより重たい蓋が素材の旨みを閉じ込めて、ポトフやラタトゥイユなどの煮込み料理が抜群。

家族や塾生のみんなが大好きなチキンカレーも、トマトを入れて蒸し煮にするので、よくこれでこしらえたものです。