「今は食べ飽きない、おみそ汁とご飯に合う普通のおかずが一番おいしく感じます。おしゃれと同じで、自分が心地よくいられることが大事ですね」(写真提供:扶桑社/撮影:山田耕司)
50代から始めたファッションブログが人気となり、現在はインスタや雑誌、著書で等身大のコーディネートを発信する金子敦子さん。60歳を迎え、「やりたいことは先送りしない」と決めたといいます。自転車や登山の趣味を始めたことで、「軽さ」の大事さを実感したという金子さん。人生の軽量化を進めていくセカンドステージで、見えてきたものは――。

見栄っぱりなおかずはやめた

私が若いころはバブル真っ盛り。いかに華やかで目立てるかを考えておしゃれをして、ブランドバッグもたくさん持っていました。

そのバッグが好きだったかというとそうではなく、ブランドものだから、高くて価値があるものだから持っていて。持ったからといって自分の価値が上がるわけでもないのに、自信がないからバッグに頼っていて、今考えると、見栄をはってたんだな、かっこ悪いな~と思います。

料理も同じで、結婚当初は夫にも、友人が遊びに来たときも、フランス料理や懐石料理をつくって出していました。つくるのは楽しかったし、それがかっこいいと思っていたんです。おかずまで見栄っぱり(笑)。

出産してからは時間の余裕がなくなって、見栄っぱりなおかずはやめました。娘に体にいいものを食べさせたかったのと、小さいころに食べたものが味覚をつくると知って「和食で育てたい」と思ったから。

そのころから食事の準備をスムーズにするために常備菜をつくり始めて、20年以上継続しています。