先日、『徹子の部屋』に出演したとき、「70歳くらいで引退したほうがいいでしょうか」と徹子さんに相談したんです。すると、「何言ってるの、私を見てごらんなさい。うんと年上の私もやっている。まだやめどきを考える時期じゃない」とピシャリと言われました。
衰えを少しでも克服しようと、週に3、4回、スポーツジムに通い、ひたすらマシンと向き合って、体を鍛えています。あ、ハダカはお見せしませんよ。ともかく、いつまでステージに立てるかなあ、というのは常に頭の中にあります。
そんな毎日を送っているので、自然に囲まれた河口湖の自宅に帰るとホッとします。家にいるときは、必ず土に触れますね。実家が農家でしたから、畑を耕したり、タネを蒔いたり、収穫するのが大好きなのです。今は草花を育てるのが楽しみ。それも、ひっそり咲く素朴な花、山野草が好きなのです。目立たないところで健気に生きて、ささやかな幸せを見つけているようなところがいいんですよ。
女性もそう。飾ってなくて、化粧も薄く、目立たないけれど、美しい、そんな人にドキッとする私。芸能界という華やかな世界で、商品としての自分をアピールする女性を多く見ているせいか、むしろ野に咲く小さな花に惹かれるのです。そんな愛すべき草花への水やり、植え替え、剪定……至福のひとときです。
掃除も好きですよ。高圧洗浄機も使って、家の内も外もスッキリ、きれいになると、気分爽快。ソファでゴロゴロ、ダラダラはしませんね。もし私が横になっているとしたら、相当に疲れているか、具合が悪いときだけです。
公演中の食事は興行主の接待が多く、できるだけ体にやさしい和食をお願いするのですが、妻は心配なのでしょう。家では野菜中心、それも、ものすごい量の野菜を使った料理がずらり食卓に並ぶ。私は青虫か毛虫か。もちろん妻に感謝しつつ、おいしくいただいております。こんなふうに、仕事のときとはまったく異なる空間の中で過ごす時間があることで、私はまた仕事への意欲を燃やすことができるのです。