前ページに「きくち体操」の基本となる2つの動きをご紹介しました。たとえば「手のグー・パー」の場合、脳で意識して手の指を動かすことで、手の指につながる広範囲の脳が活性し、さらに手の指からつながる、呼吸を司る筋肉が肺の機能を強化します。

足の指の筋肉は、裏側ではかかとから足首、アキレス腱、膝の裏、腰へ。甲の側も脚の筋肉から全身へとつながっています。「足のグー・パー」で足の指を脳で意識して動かすと、脚から腰、全身の筋肉に力がつきます。また、「足首回し」をすることで、体全体の筋肉が使われ、血流も改善していくのです。

そうした「体の仕組み」を理解し、脳を使ってその部分に「意識を集中」し、「よくしたいと思いながら動かす」。これをぜひ忘れないでください。

行う時間帯や回数にこだわる必要はありません。体に向き合いながら実際に動かしてみて、「筋肉がよく使えたな、脳も活性化して頭がハッキリしてきたな」と思えるくらい、続けてみましょう。

そうして毎日、自分の体と「対話」を続けていれば、少しずつ自分の体がよくなっていくことに気づくと思います。その積み重ねが自信につながり、生き方もどんどん前向きになっていく。「若い頃より今のほうが元気!」、そんなたくさんの生徒さんの姿を、私は50年以上、見続けてきました。

私たちはこの体でしか生きようがありません。この体はあなたの命そのものです。よくしていけるのは自分だけ。いかに自分で慈しみながら育てていくかが、あなたの生き方を決めるのだと思っています。