あっちの世界で師匠とまた話をするなら
やっぱり自分の中では第一が師匠なんです。師匠といる時間が一番。あくまでも、そこに付随してきたのが落語であるということで。
いずれ、僕もあっちの世界に行きます。師匠とまた話をすることになったら、何を話すでしょうね…。
ま、あんまり入り組んだ話はしないとは思いますけど、僕から言うことがあるとしたら「もう一回、弟子をやらせてもらえませんかね?」でしょうね。「落語の稽古とかは一切要らないので、ただただそばにつかせてください」と。それに尽きます。
一緒に飲んでてね、師匠のグラスのビールが残り少なくなってきたら、それを自分のグラスに入れる。師匠のグラスに冷たいビールを注ぐ。それを見た師匠が「ありがとうございます」と言ってくれる。この言葉が、一番うれしいんです。
…大した話、してませんけど、こんなんで大丈夫ですかね(笑)。
でも、これが僕の本当の思いですし、この歳になって改めて感じていることでもあるんです。あとは、うまい具合に、エエこと言うてるようにまとめといてください。
■桂南光(かつら・なんこう)
1951年12月8日生まれ。大阪府出身。本名・森本良造。米朝事務所所属。70年、桂小米(のちの二代目桂枝雀さん)に入門。桂べかこを名乗る。ABCテレビ「べかこの自遊時間」、関西テレビ「痛快!エブリデイ」の司会やNHK「バラエティー生活笑百科」などメディアでも幅広く活動。ハウス食品「好きやねん」のCМでもお馴染みの存在となる。93年、三代目桂南光を襲名。2004年からは桂文珍、笑福亭鶴瓶との落語会「夢の三競演 三枚看板 大看板 金看板」を開催し、現在に至るまで人気ライブとして定着している。上方お笑い大賞、芸術選奨文部科学大臣賞大衆芸能部門など受賞多数。読売テレビ「大阪ほんわかテレビ」「あさパラS」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して(ハートマーク)」などに出演中。来年1月2日、3日に大阪・サンケイホールブリーゼで行われる「新春吉例 米朝一門会」にも出演する。