その人が作り込んだ作品として、その舞台を好きだというのもあるし、その人が夢を追いかけていることがはっきりとわかるから、そのまばゆさがわかるから、好きだというのもとてもとてもある。その人が夢を見ているから、その人は私に夢を見せられると、どこかで信じている。実際に、宝塚は虚構の「男役」「娘役」を演じる世界だから、その人が憧れる気持ちを持つことがきっと始まりで、その憧れの気持ちが、見ているこちらにも星空みたいに輝いて見える。

 夢がだから、その人にとっていつまでも宝物であってほしいと思う。夢を追うことは大変なことも多いだろうなと思うし、そういえば私もそういう仕事をしている。夢が叶っていくことは、大変なことで、苦労もあることで、それを当たり前のように語る人もいるけれど、夢はそもそもが一人の人の人生の宝物です。いつまでも、その人にとって一番大切なものであってほしい。

 私はだから、舞台の上が、その人にとって「夢が叶う場所」だと思える瞬間が好き。舞台を見て、照明の光が反射しているその人の瞳は、夢を見ている人そのものの目に思える。その目が好きですって昔、手紙に書いたなぁって思い出していた。