ログハウス風の建物が目印の「カフェ・ナチュレ」。店内には、ゆったりとした時間が流れる。完全オーガニックの料理が好評

お金が潤沢でなくても心は満たされている

2020年は5月に田植えをして、9月には無事に稲刈りを終えました。コロナの影響で収入が激減し、不安にならなかったと言えば嘘になります。でも、私には労働できる身体がありますから、田畑を耕し、変わらず毎日を楽しむことができました。その結果、今わが家には十分な量のお米があります。食べていくことには、何の不安も問題もありません。

もしも今、何かの事情でインフラがストップし、スーパーからすべての食べ物が消え失せたとしたら。生産が止まって食べ物が入ってこなくなってしまったら。たとえ何億円持っていたとしても、意味がありません。お米のほうが、ずっと価値は高くなりますよね。

私はお金よりも、美味しいご飯を食べて、健康でいられればいい、と思って農業をやっています。困難があっても、お米があることを思い出せば「なんとかなるだろう」と気持ちに余裕が生まれる。お金が決して潤沢でなくても心が満たされているのは、そのおかげでしょう。

最近夢中になっているのは、車中泊キャンプです。田植えや稲刈りのときも、手伝ってくれるみんなと長い作業を楽しむために、田んぼでキャンプをしました。農作業のあとは、みんなで美味しいものを作って食べる。そういう時間って最高に楽しいんですよ。

そこから発展して、今、農作業好き女子たちとたき火場づくりのプロジェクトが進行中。火をおこせる場所があれば、そこが拠り所になります。まわりにテントを設営してもいいし、キャンピングカーでもいいし。

私は遊牧民気質みたいで、最近は畑とバンさえあれば家なんていらない、住むところは車でいい、という境地に達しちゃって(笑)。こんなに楽しいことを味わいつくすためにも、健康でいなくては!