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貧困家庭に生まれ、いじめや不登校を経験しながらも奨学金で高校、大学に進学、上京して書くという仕事についたヒオカさん。現在もアルバイトを続けながら、「無いものにされる痛みに想像力を」をモットーにライターとして活動をしている。ヒオカさんの父は定職に就くことも、人と関係を築くこともできなかったそうで、苦しんでいる姿を見るたび、胸が痛かったという。第27回は「有給取得で思い出した人間的生活について」です。
デフォルトで365日体調は悪い
この1年、本当に働きづめだった。
アルバイトとはいえ、フルタイムで会社勤めをし、会社が休みの日は執筆やそれに付随する仕事をする。
仕事がない完全な休みの日は、平均して月に1~2日くらい。
友人からの遊びの誘いも、リスケし続けて実現したのは半年後、なんてこともザラ。
さすがにこれはまずいと思い、推しの個展にだけは行く、など最低限の心の潤いを保とうと努力したが、休みの予定は思い返せばほとんど何かしらの通院、受診。
医療費の負担半端なし。
デフォルトで365日体調は悪いが、体調を大きく崩しても「働きながら治す」というのが習慣になった。朝起きて強烈な頭痛があっても、布団から起き上がれなくても、吐き気がしても、家を出るぎりぎりまで寝て、「っしゃぁ!」と体を起こし電車に乗る。
なにがなんでも休んでたまるか。体を引きずってでも出勤してやる。
と思って無理をしまくって、体調不良での休みは半年に1回くらいに抑えられた。(ってこれでいいのかは謎ではあるが)
色んなところで、「自律神経が乱れている」と言われたから、この前医者に、「どうやったら自律神経を整えられますか?」と聞いたら、「そんな生活をしていて自律神経が乱れない方法があったら逆に教えてほしいです」と言われてしまった。
同僚はみんな連休を取り、旅行に出かける。
でも、旅行支援などをうまく使って旅行に行くには、「休みを取れる経済的余裕」が必要だ。
休めば日給が減る。「旅行に行く」ためには旅費が必要なだけではなく、「休まなければ本来稼げた日給」を失うことを甘受しなければならない。
同僚が次々連休を取る中、私は休まず働き続けた。
マックスで働いても手取り15万~16万円なのに休めるわけもないし、誰かが「調整弁」にならなければ、シフトも回らなくなるからだ。