たとえ身体が不自由になっても
私は昔から日舞、バレエ、演劇とさまざまな芸を学んできました。スペインと日本の垣根なく、バレエも演劇もフラメンコもクラシコエスパニョル(スペイン古典舞踊)も、私にとっては創造の源です。特にフラメンコには、その人の人生すべてが反映されます。
もちろん五体満足に越したことはないけれど、歳を重ね、身体が不自由になっても、その人なりの踊りができる。魂の踊りと言ってもいいと思います。
私が初めて本格的にフラメンコを学んだエンリケ・エル・コホという先生はおみ足が悪く、自らを「脚の不自由なコホ」と名づけていましたが、肉体的なギャップをまったく感じさせないすごい先生でした。
私が今日まで踊ってこられたのは、エンリケ先生のおかげと思っています。導いてくださった素敵な先生方はほかにもたくさんいらっしゃる。今も感謝と尊敬の念を持ち続けております。
私はこれからもフラメンコを追求し、新たな作品をつくりたい。今年の夏、小休止しましたが、もう大丈夫! 若い人を育てつつ、私自身、チャレンジを続けていくつもりです。