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半分以上抜けても回復の早さに満足

幸田さんの話にもあったように、頭皮冷却療法を行ったからといって、まったく髪が抜けないわけではない。効果には個人差があり、ほとんど抜けない人もいれば、半分以上が抜けてしまう人もいる。

プロダンサーの小野彩子さん(仮名・53歳)は、仕事の関係者に乳がん罹患の事実を伝えないと決めていた。

「夢を売る仕事だし、元気な自分だけを見ていてほしい、と思ったんです。病気を公表したら、仕事がこなくなるかもしれないという心配もありました」

ただ、脱毛すれば周囲に気づかれてしまう可能性は高い。頭皮冷却療法の説明を受けて即決したが、実際に治療が始まると、抗がん剤投与から2ヵ月で髪が抜けるようになり、最終的に残ったのは4割程度だったという。

脱毛予防のために治療を受けたのに、半分以上が抜けてしまったら、かなりショックではないだろうか。

「人によってはほとんど抜けてしまうこともある、ときちんと説明を受けていましたので。期待値が低かったのがよかったのかもしれません(笑)」

脱毛が進んだときは、思い切って金髪のウィッグをつけてみたそうだ。

「金髪に目がいくせいか、少々のウィッグのズレは目立たない。むしろ『似合っている』と褒められたこともありました」

そして、脱毛後の発毛の早さは期待通りだった。

「化学療法終了から2ヵ月くらいで、頭全体がかなり黒っぽくなったんです。5ヵ月目には自毛でアップスタイルにできるようになりました。もし治療を受けるかどうかで悩んでいる方がいるなら、私はぜひ勧めたいですね。治療後、日常生活に戻るうえで髪の毛があるということは、とても大事。鏡を見て『うん、今日も私は大丈夫』と思えるからです」