地理院地図

記号は従来の記念碑に碑文をイメージしたような縦棒が入ったもので、大きさも1.5倍に拡大されて目立つようになった。

この記号はインターネット上で誰もが閲覧できる「地理院地図」でも表示されているが、地図モードを「災害伝承・避難場所」→「自然災害伝承碑」と進めばこの記号が目立つように示され、記号をクリックすれば実際の碑の写真が表示される。

それをクリックすると、災害の年代や概況、伝承内容なども簡潔にまとめて表示され、わかりやすい。

実際の碑文は漢文や文語体で読みにくく、あるいは石によっては摩滅して判読できないこともあるが、これを利用すれば被害の概略はわかるので、大地震が来る前に少なくとも地元の碑はチェックしておきたいものだ。

 

※本稿は、『地図記号のひみつ』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。


地図記号のひみつ』(著:今尾恵介/中央公論新社)

学校で習って、誰もが親しんでいる地図記号。地図記号からは、明治から令和に至る日本社会の変貌が読み取れるのだ。中学生の頃から地形図に親しんできた地図研究家が、地図記号の奥深い世界を紹介する。