お正月、娘と映画館へ(写真提供◎青木さん以下すべて)

 

青木さやかさんの連載「50歳、おんな、今日のところは『……』として」――。青木さんが、50歳の今だからこそ綴れるエッセイは、母との関係についてふれた「大嫌いだった母が遺した、手紙の中身」、初めてがんに罹患していたことを明かしたエッセイ「突然のがん告知。1人で受け止めた私が、入院前に片づけた6つのこと」が話題になりました。
今回は「帰省中の名古屋で地震を体験した人として」です。

前回「愛犬・おっぽが亡くなって1年。最後は不安で家の中を歩き回っていたのを思い出す。相変わらずとてもさみしい」はこちら

『パーフェクトデイズ』を観ながら

元日は愛知県尾張旭市の96歳一人暮らしの祖母宅にいた。前夜は『紅白歌合戦』を横目に観ながら弟夫婦と娘とみんなでカードゲームを楽しんで、年越しそばを食べて『ゆく年くる年』の鐘の音を聞いてすぐに寝た。

朝起きて、子どもの頃から馴染みの神社へお詣りへいき、クルマでみよし市にある映画館へ娘と向かった。

「何観るの?」
「『パーフェクトデイズ』です」

「なにそれ」
「トイレの話」

「なにそれ」
「色々なトイレが出てくる話らしい。ママそれが観たいので」

「マジで。ワンチャン違う映画みる」

紅白を観ながらカードゲーム