「誰よりも母のエネルギーを受けとめて来たのが自分だっていう自負もあり、そういう意味では一番母に優しくしてきたのかな、とも。」(撮影◎本社写真部)

父に対してと同様に、母に対しても超えたいというのはありました。なので、歌うことはしたくなかったんですが、いつの間にか、歌手になっていました(笑)。結局親にもらったものを活かすことになるんだな、と今になってやっと素直に思えるようになりましたね。

母は昔から、家事をしながら楽しそうに歌っていて、それがとても上手かった。今、現場などで、プロの歌手の方の歌を聴く機会もありますが、ぶっちゃけ母のほうが上手いと思うことも。

父が亡くなり、自由な時間も増えましたから、今はYouTubeを見ながら歌の練習をしてるらしく、「昔の音感、リズム感が戻ってきた」とか言うんです。だから、「アルバム収録曲で、お前と俺とで一緒に歌わない?」って冗談半分に誘ってみました。答えは「絶対、いや」。「この歌、歌ってみてよ」と頼んでも、なぜか僕の前では歌ってくれないんです。

そんな母親も最近は少し萎(しぼ)んできたので「ああ、俺、ついに誰にでも優しくしなきゃいけなくなるのかな」と思います。誰よりも母のエネルギーを受けとめて来たのが自分だっていう自負もあり、そういう意味では一番母に優しくしてきたのかな、とも。母を失った時に自分がどうなってしまうのかは、正直、わからないです。

「純烈」をやり始めて、ファンの女の人たちに話を聞く機会が増えましたし、自分で家族も持って、女の人って生まれた時からずっと大変だってわかったんですよね。身体も変わったり、子どもも産まなきゃいけなかったり、夫や姑にとやかく言われたり。

やっと子育てを終えたら、今度は介護しなきゃいけなかったり、自分が病気になったりする。とにかく一生懸命生きている女性たちを労いたい、それが自分たちの役割だと思っています。

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出演情報

明治座7月純烈公演
2021年7月2日(金)~18日(日)
第1部 『ラブレターを取り返せ!』
第2部   純烈コンサート2021 『Love Letter』

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映画『スーパー戦闘 純烈ジャー』
9月10日(金)新宿バルト9ほか全国劇場公開!
監督:佛田洋  脚本:久保裕章

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