くわばた うちでも、私らきょうだいが大人になってから、母はみんなに文句言われてますよ、「お父さんを何もできなくさせたのはあんたや」と。

佐光 ご夫婦で家事の分担はどのように?

くわばた うちのダンナはごはんも作るし、わりと何でもできるんです。だから、やれる人がやる、みたいなところはあります。私が仕事で疲れて何もしない時、たとえば夕食のあと、食器を洗わず、そのまま子どもと寝てたりすると、ダンナが全部洗ってくれているし。こういう話をママ友にすると、「すごいね!」と拍手されるんですよ。でも、私は毎日洗ってるやん。その私はすごくないけど、ダンナが洗ったら拍手って、それ、どうなん? とも。

佐光 そうです、そうです。

くわばた とは言いつつ、私もダンナがやってくれたら「ごめんね」となるんです。「やってもらってる」と。

佐光 日本の主婦はよく謝るけど、その「ごめんね」は、自分がちゃんとやってなくてダメだった、という思いがあるからでしょう? 責任を感じすぎじゃないでしょうか。

くわばた 「家事は夫婦2人でやる」と言ったりはするけれど、結局、女の人自身に「自分の仕事」と思っているところがあるんですね。

佐光 「ごめんね」と言われた側も、「やってあげたぞ」という気持ちになるじゃないですか。むしろ、「ありがとう」のほうがいいですよね。

くわばた 「申し訳ない」なんて、思わなくていいんですね。

〈後編につづく

※本記事は『婦人公論』2019年10月23日号の特集「家事はもう、がんばらなくていい」内に掲載されたものです。