くわばた なるほど、パーッと食べられて、おいしそう。ごはんのことでは、「今日はカップラーメンやけど」という日もあって。でも、子どもたちはめっちゃ喜ぶんです、「イエ~イ、ラーメン、ラーメン!」って。私は罪悪感があるから、野菜炒めを作ってラーメンの上にのっける。すると子どもは、「野菜炒めなんか、のっけるんじゃねえ」。

佐光 カップラーメンとして楽しみたい(笑)。普段あまり出てこないから、喜ぶんでしょう?

くわばた 他にも、そうめん、カレー……。手抜きメニューはいろいろありますが。

佐光 そういうのがあると、助かりますよね。でも、後ろめたい?

くわばた 何年か前、友だちに「うちに夜ごはんを食べに来ない?」と誘ったとき、「ラッキー、今日はカップラーメンだけの予定やったから助かるわ」と相手が言ったんですね。彼女、看護師をしていてめっちゃ忙しいんですけど、そのとき「えっ、昼やったらわかるけど、土曜の夜ごはんがカップラーメンって……」と、一瞬、引いた自分がいたんです。今は、私と子どもがいいのならええわ、と思うようにしてますけど。

佐光 「料理をちゃんと作るのがいいママ」という呪いがあるんですよ。

くわばた 多分、世間体も気にしてるんでしょうね、「こう思われてるのとちゃうか」と。赤ちゃんがいる友だちに、「今日の夕ごはんは、スーパーのお惣菜にしたら?」と言ったとき、「他のママに見られて、『自分で作らないで、買って帰るんだ』と思われるのが怖くて買えない」って。

佐光 「手作り弁当は愛情の証し」なんていう言葉もあるけれど、お弁当は作れなくても、子どもが部活の試合で負けて悔しがっているとき、「うん、うん」と一所懸命に話を聞いてるママだって、十分に愛情があるわけでしょう。

くわばた そうです、そうですよ!