心に秘めていたら夢は夢のまま

ずっと出たかった時代劇ですが、まず驚いたのは決まりごとの多さです。話し方や歩き方から、家具などセットの位置まで、こと細かにルールがあって、現代を舞台にしたものとは何もかも違う。

また、原作の良さをしっかり引き出すことにも注力しました。威厳や迫力、芯の強さが魅力の吉宗という役どころを、自分なりに考え表現したつもりですが、放映されるまではドキドキ。けれどありがたいことに、嬉しい反響がたくさん寄せられたのです。

「原作通りの将軍らしい将軍」「ただかっこいいだけでなく色っぽさもあった」というような評価をいただくことができました。『大奥』が、自分の代表作になったと言えます。

心に秘めたままだったら、夢は夢のまま。実現できなかったかもしれません。つくづく自分のやりたいことを公言しておいてよかったなと思います。