時代にフィットした強運な人生

15歳でモデルを始めて、17歳で世界の舞台に挑戦してから25年。どんな仕事でもそうですが、特にファッションショーの仕事は一回一回が勝負。やり直しがききません。だから、これまで一度も手を抜いたことがない。その都度、自分ができる100%以上の力を注ぐようにしてきました。

俳優をはじめ、仕事の幅が広がっていったのも、その姿勢を貫いたからなのかもしれません。一つの仕事がまた新しい仕事を呼ぶという、いい循環が生まれたように思います。

実際にそう感じたのが、23年10月に行われた「第50回信玄公祭り」の信玄公役に抜擢された時のことでした。武田信玄の故郷、山梨県甲府市で毎年開催される大きなお祭りで、信玄公役は歴代、渡哲也さん、藤岡弘、さん、沢村一樹さんなどそうそうたる顔ぶれの俳優が務めてこられました。

そんななか私が、史上初の女性信玄公として出陣できたのは、『大奥』の吉宗役があったからこそ。一生に一度の大役、という気概で楽しく号令をかけさせていただきました。

誠実に仕事に向き合ってきたから今がある、という自負はありますが、努力だけでは思い通りにならないのが人生。振り返ると私はかなりの強運だったと感じることが多々あります。

世界に飛び出した1999年は、ちょうど「アジアンビューティー」が世界的に注目されていた頃。モデルはその時代の流行に大きく左右される職業ですから、もしデビューが3年早かったり遅かったりしたら、時代にフィットせず、活躍できていなかったでしょう。こうしたことは努力以前の問題なので、不思議なパワーを感じますね。

また、私は息子が小学生のタイミングで3年ほど休業したのですが、無事に復帰して、今お仕事をいただけているのは、運がなければありえないことです。